フリーランスとして独立開業する人が増えてきましたが、逆にフリーランスを廃業して会社員に戻る選択肢を選ばれる人もいます。
では、フリーランスになる人とやめる人、それぞれの人の失業保険はもらえるのでしょうか。
そこで本記事では失業保険の受給資格から、もらえるかどうか、再就職手当にいたるまで解説します。
失業保険とは?
まず失業保険の概要からご説明します。
失業保険とは、会社都合や自己都合などにより退職した場合、退職する前の勤務時に雇用保険に加入していれば、ハローワーク(公共職業安定所)で失業認定を受ける事により、次の仕事が見つかるまでのあいだ生活費としてお金をもらうことができる制度のことを言います。
失業給付、失業手当などとも言われますが、ハローワークでは「雇用保険の基本手当」と呼ばれます。
失業保険の受給資格
失業保険の受給資格は、雇用保険に加入している労働者が離職した後、以下の2点の要件を満たす必要があります。
- ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること
- 離職の日以前2年間に、「被保険者期間」が通算して12か月以上あること ただし、倒産・解雇等により離職した方(「特定受給資格者」又は「特定理由離職者」)については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可
雇用保険の加入要件
雇用保険の加入要件は、アルバイト・契約社員・派遣社員・正社員として雇用契約を結んで勤務しており、以下の条件を満たしている人は、加入する義務があります。
- 31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること。
- 1週間の所定労働時間が 20 時間以上であること。
フリーランスを廃業して失業保険はもらえるの?
アルバイト・契約社員・派遣社員・正社員とは違って、フリーランスの場合は雇用契約ではありません。業務委託契約や業務委任契約になってきますので、雇用保険には加入することができません。つまり、原則、失業保険をもらうことができないことになります。
会社員を退職しフリーランス開業した時の失業保険は?
フリーランスを廃業する場合には失業保険をもらうことができないとお伝えしましたが、逆に、会社員を退職してフリーランス開業をする場合は事業が変わってきます。なぜなら、会社員として雇用保険に加入していたからです。
ただ、失業保険の受給資格の「1」にある就職しようとする積極的な意思という要件から外れてしまいます。
フリーランスで働くことは雇用される訳ではありませんので、就職に当たりません。
そのため、正社員として勤務していた会社を辞めフリーランス開業をする場合も、原則、失業保険をもらうことは難しいでしょう。
フリーランス独立開業で再就職手当なら受け取れる!
ただし、フリーランスとして独立開業をした場合、再就職手当であれば受け取れる可能性があります!
ただ、こちらも会社員を退職後に離職票を持参して管轄のハローワークへ申請に行く、雇用保険の説明会へ参加する、認定日にハローワークへ行く、開業届を税務署へ提出するなど、受け取るための手順があります。
詳しくは、個人事業主(フリーランス)起業・独立開業で再就職手当をもらう7つのステップという記事に小学生でも解るくらい丁寧に手順が書いてありますので、ぜひ参考にされてみてください。
民間のフリーランス向け保険・補償手当に加入しよう!
話を戻しまして、フリーランスをやめて正社員に転向しようとしても、失業保険は原則もらえません。
ただ、何も策がないかと言うと、まだフリーランスの状態でしたら、そんなこともありません。
過去に政府の要請があったこともあってか、民間の損害保険会社がフリーランス向けの保険や補償手当の商品を販売されています。
以下にいくつか紹介します。
フリーランス協会の所得補償制度
損保ジャパン日本興亜損害保険サービスがフリーランス協会の会員向けに提供している所得補償制度です。
フリーランス協会に入会すると、自動付帯してくる賠償責任保険や追加料金で加入できる所得補償保険があります。
フリーランス協会の年会費は1万円です。
フリーランスを支えるお金と保険サービス「フリーナンス」
GMOインターネットグループが提供するフリーナンスというサービスがあります。
これは、登録料無料で、一定の手数料を支払うと請求書を買い取ってくれ現金化してくれたり、業務遂行中の事故の補償してくれたりするサービスです。
万が一に備え、チェックされてみては如何でしょうか。
まとめ
今回は、失業保険や再就職手当、フリーランス向けの保険・補償サービスについて紹介しました。
フリーランスという職業は雇用保険で守られている訳では無いので、色々と不安もあると思います。
フリーランス独立はもちろん、フリーランスを廃業しようか迷われている人は、正社員の転職とフリーランス独立の相談にのってくれたり、フリーランス向けの福利厚生や案件紹介・条件交渉もしっかりしている専門エージェントを利用してみるのも一つの手ですよ。
フリーランスエージェントを徹底比較した記事にて詳しく紹介していますので、ぜひチェックされてみてくださいね。