Webマーケティングと一言で言っても、その手法は様々あります。
また、Webマーケティングの担い手であるWebマーケターの仕事内容も同様です。
本記事では、馴染みがないと解りにくいWebマーケティング手法の一例から市場規模や日本のマーケター人口、Webマーケターの仕事内容や年収、キャリアや年収アップに重要なスキルや考え方、未経験からWebマーケターになる方法に至るまで徹底解説します!
- Webマーケティングとは?
- Webマーケティング手法/仕事内容の一例
- Webマーケティングの市場規模
- インターネット広告の中でも運用型広告が特に好調!
- Webに限らない統合型マーケティングコミュニケーション(IMC)が重要!
- 国内のデジタルマーケターの推計人口は約2万人
- Webマーケターの年収
- Webマーケターの年収やキャリアアップに重要なスキルや考え方
- トレンドに敏感になり、学習や自己研鑽を欠かさない!
- アルファベットの略語やWebマーケティング用語に強くなる!
- 英語力を磨いておく!
- 代表的なアクセス解析やマーケティングツールの使い方を覚える!
- 数字に強くなり、地頭力を鍛える!
- PDCAサイクルを回しを成果(結果)を出す!
- 勝ちパターンを応用し、改善・改良を続ける!
- Webマーケターとしての職域を広げ、縦と横の関係を広げる!
- スペシャリストかゼネラリストか、どちらの道を選ぶか決める!
- 余裕があればWebデザインやプログラミングスキルも習得する!
- イベントやセミナーへの登壇、ブログやSNSでの情報発信を通し名前を売る!
- 副業や複業をしてみて、他社でもWebマーケターとして通じるか試す!
- WebマーケターとWebディレクターは職種が違う!
- WebマーケターとWebアナリスト/Webコンサルタントとの関係性
- Webマーケティング未経験者がWebマーケターになる方法
- まとめ
Webマーケティングとは?
Webマーケティングとは、文字通りWebを利用したマーケティング活動のことを指します。
オンラインマーケティングやインターネットマーケティング、他にもデジタルマーケティングなどと様々な形で呼ばれることもあります。ただ、デジタルマーケティングの場合、テレビCMなども含まれますのでWebマーケティングよりは広義に捉えられます。
まず、Webマーケティングのご説明の前に、マーケティング活動について理解する必要があります。
マーケティングとは市場価値をつくる仕事です。端的に言いますと売る(セリング)というよりも勝手に売れるような状況をつくることこそがマーケティングの一番重要な使命です。
マーケティングの中のには商品やサービスの認知を促進させる活動や商品やサービスの販売を促進させるための活動があります。
ただ、前者はPR(パブリックリレーションズ)やブランディングという言葉でも語られますので、マーケティング活動というよりも広報活動と言った方が適しているかもしれません。
俗に言うWebマーケティングとは、広告宣伝や市場調査などの意味合いで語られることがほとんどです。
どこからどこまでをマーケティングと言うかについても企業によってマチマチで明確な定義はありません。
なお、Webマーケティングをお仕事としている人をWebマーケターと呼びます。
Webマーケティング手法/仕事内容の一例
マーケティングの中でも、Webを利用したマーケティングには様々な手法/仕事内容があります。
以下に、Webマーケティング手法の一例を紹介します。
SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、日本語だと、検索エンジン最適化と呼ばれます。
日本では、Yahoo!検索もGoogleの検索エンジンを利用しており、国内シェアは9割を超えますので、実質、日本ではGoogleの検索エンジンへの最適化となります。
国内シェアのうち、残りの1割未満の検索エンジンについては、MicrosoftのBingと中国企業のBaidu、その他になります。
最近の、Google検索については、AIや機械学習システムを取り入れたRankBrainというアルゴリズムが導入されています。
そのため、検索エンジンに最適化させるのではなく、検索するユーザーにとって有益な情報や魅力あるコンテンツを最適化させようという動きにシフトしております。そのため、一部では、SEOではなく、SXO(Search Experience Optimization:検索体験最適化)というマーケティング施策で考えられています。
※Experienceの頭文字を取るとSEOとなってしまうため、2文字目のXを取り、SXOと呼ばれています。
SEOをはじめるにあたっては、Google社が検索エンジン最適化(SEO)スターターガイドというものを提供されていますので、まずはそちらを確認しましょう。
リスティング広告
リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワード(検索クエリ)に連動して検索結果ページに掲載される広告です。検索連動型広告やPPC広告(Pay Per Click Advertising:クリック課金型広告)とも呼ばれます。
1クリックされる毎に課金される仕組みであり、検索キーワードに連動して関連した広告が表示されるため、高い費用対効果があるとしてWebマーケティングでも主流となっています。
日本では、Google広告やYahoo!広告が代表的です。
なお、SEM(Search Engine Marketing)という言葉がありますが、これはSEOとリスティング広告を含めた検索エンジンマーケティングの事を指し、リスティング広告の事だけを指す言葉ではありませんので注意しましょう。
リマーケティング広告/リターゲティング広告
リマーケティング広告は、一度閲覧したWebサイトやモバイルアプリに関する広告を、別のWebサイトやアプリへアクセスし閲覧した時にも表示させる追従型広告のことを言います。
なお、リマーケティング広告はGoogle広告として出稿する時の名称で、Yahoo!広告として出稿する時の名称はリターゲティング広告と言います。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、Webサイト(ブログ/メディア/ランディングページ)やメールマガジンなどに広告リンクを掲載し、その広告リンクからユーザーが広告主のページを訪れ、資料請求や申込、商品購入を行う(コンバージョンする)と広告料が発生するタイプの広告のことです。
成果に応じて広告主は広告料をお支払いし、Webサイトやメールマガジン運営者は成果報酬を受け取れることから、成果報酬型広告とも呼ばれます。
アフィリエイト広告は、直接広告主企業と提携するWebサイトは少なく、多くの場合、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)と呼ばれるアフィリエイト広告専門の仲介会社を通して取引が行われます。アフィリエイト広告を掲載するWebサイトは、このASPへの手数料を差し引かれた金額を成果報酬として受け取る仕組みになります。
アフィリエイト広告は、資料請求や商品購入させれなければ、原則、広告料が発生しないことから、出稿する広告主にメリットがある手法として今なお人気を博しているWebマーケティング手法になります。
SNS(ソーシャルメディア)マーケティング
SNSマーケティングとは、文字通り、FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などのSNSを利用したマーケティング手法のことを言います。ソーシャルメディアマーケティングとも呼ばれます。
SNSを活用した顧客コミュニケーションにより企業や商品・サービスのブランド価値を高めたり、口コミを誘発させ販売を促進をさせたりすることができます。
口コミを活用するマーケティング手法についてはバイラルマーケティングやバズマーケティングと呼ばれ、SNSマーケティングが有効な手段として利用される事もあります。また、SNSの中でも影響力のある人たちをインフルエンサーと呼び、インフルエンサーを活用したマーケティング手法をインフルエンサーマーケティングという形で呼ばれることもあります。
動画マーケティング
2020年は、日本でも5G元年と言われており、大容量なコンテンツがスマホでも楽しめるようになってきました。インターネット動画コンテンツも、YoutubeやTiktok、Instagramのストーリーズ機能など様々なサービスが登場しています。
広告としても使えますし、自らがYoutuber的に出演してチャンネルを持つなど様々な形で、コンテンツを発信できるようになっており、動画マーケティングとして活用する企業も増えています。
LPO(Landing Page Optimization:ランディングページ最適化)
LPOとは、Landing Page Optimizationの略で、日本語だとランディングページ最適化と呼ばれます。SEOやSNS、各種広告施策によって集客したユーザーを商品やサービスの魅力を端的に紹介する1枚のランディングページへ誘導します。
そのランディングページより、ユーザーに商品購入や資料請求していただく行為を最大化させることがLPOの目的となります。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、メールを用いて、企業の担当者や個人に態度変容をさせ、資料請求やお問い合わせ、商品購入などへと導くためのマーケティング手法を言います。
メールマーケティングでは、キャンペーンのお知らせなどのお得な情報を送信するためにメールマガジンに登録してもらったり、ステップメールという形でゴールから逆算して徐々に興味を持っていただくために何段階かに分けてメールをお送りしたりする方法があります。
そのために、まずは見込み顧客となるユーザーのメールアドレスの獲得が必要となり、このメールアドレスを獲得するために、展示会やセミナーを開いたり、ホワイトペーパーといった限定公開資料をメールアドレス宛に送付するなど、様々な施策を企業は行っています。
Webマーケティングの市場規模
Webマーケティングの手法をいくつか理解していただけたと思いますが、実際のWebマーケティングの市場規模はどの程度あるのでしょうか。
そんなWebマーケティングの市場規模を見る上で最も参考になるのが、電通が毎年出している日本の広告費でしょう。
インターネット広告費は2019年にはテレビメディア広告費を、2021年にはマスコミ四媒体広告費を抜き、2023年には3兆3,330億円と堅調に伸長し、総広告費に占めるインターネット広告費の構成比は45.5%に達しています。
さらに、DXやAIといったテーマは伸びていますので、Webマーケティングの需要や重要性は益々増えていくことが予測されます。
インターネット広告の中でも運用型広告が特に好調!
インターネット広告費の構成比は45.5%に達していることはお伝えしましたが、インターネット広告媒体の中で、どんなジャンルの広告が好調なのでしょうか。
出典:2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析 【グラフ1】 インターネット広告媒体費の広告種別構成比より
2023年の「インターネット広告媒体費の広告種別構成比」のグラフ(上図)を見ますと、成果報酬型広告(アフィリエイト)を除いて、検索連動型広告(SEM)、ディスプレイ広告、ビデオ(動画)広告、その他の広告と軒並み伸びていることが解ります。
出典:2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析 【グラフ2】 インターネット広告媒体費の取引手法別構成比より
そして、広告種別においてどのような手法が使われているのか「インターネット広告媒体費の取引手法別構成比」のグラフ(上図)を見ますと、87.4%という割合で圧倒的に運用型広告という手法が使われていることが解ります。
つまり、どの広告種別で広告配信するにあたっても、Webマーケターとしてのニーズは運用型広告ができる人材にあるという訳です!
そのためか、どこのWebマーケティングスクールでも運用型広告を教えている訳です。詳しくは下記の関連記事をチェックしてみてください。
Webに限らない統合型マーケティングコミュニケーション(IMC)が重要!
Webマーケティング手法は年々デジタル技術の進歩と共に多種多様なものが生まれております。企業規模が大きくなればなるほど、どれか一つをすれば良いという訳ではありません。
SEM、SNS、LPO、メールマーケティングなどのWebマーケティングに加え、テレビやデジタルサイネージ(屋外や電車内のディスプレイ広告など)のデジタル広告、イベントや雑誌・新聞などを活用したオフラインマーケティングとも連動させ、クロスマーケティングを行っていき、統合的に潜在&顕在ユーザーとコミュニケーションを取っていく事、つまりユーザーの真のニーズ・内なる声を傾聴する事が令和の時代においても重要となってきます。
国内のデジタルマーケターの推計人口は約2万人
Webマーケティングについては理解ができてきたと思いますが、では実際、Webマーケティングの担い手であるマーケターはどのような状況なのでしょうか。
広告主2,000社、ならびに広告会社19社のデジタルマーケター人材が何人いるかを調べるため、国内主要企業におけるデジタルマーケターの人口推計調査を実施したレポートを拝見したところ、広告主では12,100人、広告会社では7,930人の累計20,030人であることが解りました。
デジタルマーケターのためWebマーケターでは無い人も含まれますが、調査対象ではない企業や個人のWebマーケターもいるため、厳密にはこの数値とWebマーケター人口の実態は乖離するかもしれませんが、決してWebマーケターは人余りな状況ではなく、どちらかと言えば今後の市場の発展も考えると人手不足な傾向にあります。
そのため、エンジニアなどと同様、Webマーケターの担い手も求められているのが今の日本の状況です。
Webマーケターの年収
webマーケターの年収はピンキリです。
駆け出しだと、年収300万円台の人もいれば、年収2,000万円とか3,000万円の人もいます。
年収2,000万円とか3,000万円の人はフリーランスで活躍してたり、外資系企業や割と大きめな企業でCMO(チーフマーケティングオフィサーの略。自社マーケティング部門の最高責任者)として活躍していたりするので、なかなかハードルは高いと思いますが、年収1,000万円くらいであれば頑張れば目指せると思います。
年収1,000万円を目指すには大きく2パターンあると思っています。
1つは、広告代理店や自社のマーケティング部門で活躍し、一企業人としてスペシャリストもしくはゼネラリストとして出世していき年収を上げていくこと。
もう1つは、一企業人として実績を上げるのは勿論、副業や複業をして年収を上げていくこと。
どうしてもWebマーケティングのお仕事はやる事が多岐にわたり、人材も不足している分野になります。大手広告代理店などで色々と社会問題もありましたので以前よりは残業も減っていて帰りやすい雰囲気にはなっていますが、それでも忙しい業界です。
なかなか副業もままならないという人も多いと思いますので、そのような人は無理して副業しようとせず、所属している会社で結果を出して活躍していった方が良いです。人材として優秀になりブランディングができていければ、稼ぐチャンスはいくらでも訪れます。
ただ、もし副業ができる環境であれば、正社員として属している会社の能力を活かして副業をするか、会社ではやりたくてもできない事に副業としてチャレンジしてみると良いでしょう。
例えば、弊社の取引先の担当者である、もしも社の芝さんは本業のアフィリエイト担当としての知識・経験も活かし副業されており、副業のほうが本業の収入を上回っておられるようです。
2月末まで3日残して、100万の壁をついに突破しました。
ブログはじめて、1年3ヶ月。
承認率は概ね90%なので、消費税入れたら7桁ある可能性大。
油断せずにこれからも積み上げます。 pic.twitter.com/LVZX36o3AJ
— 芝=複業×フレスコボール×ノマド (@t_shiba) February 25, 2019
副業年収が1億円を超える転職アンテナ運営のmotoさんも有名なマーケターですね。
Webマーケターの年収やキャリアアップに重要なスキルや考え方
Webマーケターの年収については幅がある旨をお伝えしましたが、では年収やキャリアをアップするためにはどうしたら良いのでしょうか。
続いては、Webマーケターの年収やキャリアを上げるために重要だと思うスキルや考え方を紹介します。
トレンドに敏感になり、学習や自己研鑽を欠かさない!
Webマーケティングはとにかくトレンドが移り変わりやすく、どんどん新しい考え方や用語、成功するための方法(勝ちパターン)が出てきます。
そのため、Webマーケティングのトレンドには敏感になり、学習や自己研鑽を欠かさないようにしましょう。
例えば、SEOであれば、海外SEO情報ブログを毎日見るだけでも1年経ったときに凄くトレンドに敏感になれ、スキルもアップすると思います。
また、Web担当者ForumやMarkeZineなどはWebマーケティング全般の情報収集としてはおすすめです。
そして、日常生活のなにげないところにヒントが隠れていることもよくありますので、仕事以外でも常に色んなところにアンテナを貼り、人の行動の観察や話を傾聴するようにしましょう。
このような日々の積み重ねが半年、1年経った時に大きな差となります。
アルファベットの略語やWebマーケティング用語に強くなる!
先ほど、トレンドに敏感という言葉を使いましたが、Webマーケティングはアルファベットの略語や横文字の用語が本当に多いです。
一例を下記に挙げます。
- アルファベットの略語(一例)
- PV
- UU
- UI
- UX
- IMP
- CTR
- CVR
- UGC
- CPC
- CPA
- CPO
- ROAS
- ARPU
- AIDMA
- AISAS
- 横文字のWebマーケティング用語(一例)
- ペルソナ
- セッション
- リファラー
- トラッキング
- フリークエンシー
- アトリビューション
- ロングテール
- エンゲージメント
- カスタージャーニーマップ
- コンセプトダイアグラム
他にも例えば、SEOの仕事に携わっている場合、AMP・PWA・クロール・インデックス・マークアップなど、他の領域のマーケターが使わないような用語をよく使います。他の領域のマーケターについても同様です。
正直業務をやってれば覚えることも多いですが、新しい概念や用語は日常的に出てきますし知らなかったでは恥ずかしいので、トレンドには敏感になっておきましょう。
例えば、CTR(Click Through Rate)はクリック率のことですが、いつまでもクリック率と言ってたら恥ずかしいですよ。
英語力を磨いておく!
これは必須ではありませんが、Webマーケティングはアメリカで流行ったものが日本にやってくる事も少なくありません。
GAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)と呼ばれる4社、そしてX(旧Twitter)やMicrosoftはどこも米国のアメリカ発の世界的な巨大IT企業です。Webマーケティグにも欠かせません。
アメリカの文献やメディアの記事も半日もすれば日本語に翻訳されたものが日本のメディアで多く見れますし、翻訳機能の発達によりたいていのことは理解できるでしょう。
ただ、英語が読めるに越したことはありませんので、余裕があれば英語力を磨いておくことをおすすめします。
英語ができるようになっておけば、世界的なマーケティングカンファレンスに行って最先端のデジタルマーケティングの講演をいち早く聴くこともできますしね。
代表的なアクセス解析やマーケティングツールの使い方を覚える!
代表的なアクセス解析やマーケティングツールの使い方を覚え、最低限は使えるようになっておいた方が良いです。
例えば、アクセス解析でよく使われるGoogleアナリティクスは多くの企業が採用しています。ウェブ解析士なる資格もあるくらいアクセス解析は奥が深く、色々なことができますが、最低限よく使う機能くらいは使えるようにしておきましょう。
- 代表的なツール(一例)
- Googleサーチコンソール(SEO)
- Googleキーワードプランナー(リスティング広告)
- Googleアナリティクス(Webサイトやアプリのアクセス解析)
- Youtubeアナリティクス(動画マーケティング)
- X(旧Twitter)アナリティクス、Facebookインサイト(SNSマーケティング)
- アドエビス、KARTE(マーケティング効果測定ツール)
- SATORI、Marketo(マーケティングオートメーション[MA]ツール)
- Ptengine、User Heat(ヒートマップ)
SEOやSNSのツール、Googleアナリティクス等は基本的に無料で使えますので、多くの企業が活用しています。
ヒートマップやマーケティング計測ツールは有料になってきますが、低額で使えるツールも多いので業務で使う場面のある人は使えるようになっておきましょう。
数字に強くなり、地頭力を鍛える!
先ほど、アクセス解析やマーケティングツールを使えるようにとお伝えしましたが、ツールで出てきた数字をどう見るかによって分析内容や改善提案が変わってきてしまいます。ここはWebアナリストの業務範囲である会社も結構ありますが、マーケターとして地頭力を鍛え分析や改善まで回せるようになっておくと職域が広がりますし、アナリストとのコミュニケーションも円滑に進められます。
数字や地頭力が強いのと強くないのとでは年収やキャリアにも差が出てきますので、ツールの使い方だけにとどまらず、数字に強くなり、レポート作成や改善施策の実行までできるようにすることをおすすめします。
PDCAサイクルを回しを成果(結果)を出す!
マーケティング施策を実行するときに、まずPLAN(計画)を立て、DO(実行)し、実行した施策をCHECK(評価)して、次なるAction(改善)を考えることが重要になります。
このサイクルを回していき、成果(結果)へと繋げることで経験値とスキルがアップしていきます。
きちんと計画を立てず、振り返りもせずにいると、いつまで経っても勝ちパターンが見つからず、手探り状態のままになってしまいますので、注意しましょう。
勝ちパターンを応用し、改善・改良を続ける!
PDCAサイクルを繰り返し、勝ちパターンが解ったとしても、最近のWebマーケティングは高度になってきていますので、長期間通用することはほとんど無くなってきています。
そのため、勝ちパターンは応用しながら、常に時代の変化にも合わせて改善・改良を続けるようにしましょう。
また、他社の成功事例が紹介されることがありますが、自社でそのまま実行しても通じないことが多いです。
そのため、「自社に当てはめると、どのように改良したら勝てるかな」と思考しながら改良を重ねていきましょう。
Webマーケターとしての職域を広げ、縦と横の関係を広げる!
昔のように、SEO、SNS、メールマーケティングなど、一つ一つ分離した施策は効果が出辛くなってきています。
今の時代は、SEOとSNSを連動して考えたり、Webに限らず、お店の店頭やイベントとSNSを連動したり、テレビとWebサイトを連動したりなど、クロスマーケティングを積極的に考え実行している会社の方が結果が出るケースが多いです。
そのため、自分の職域にこだわらず、社内外の他のWebマーケターはもちろん、他職種や他業界、上司・部下など、様々な方との関係を広げ、横にも縦にも関係を広げておきましょう!
いざという時に、広げておいて良かったと感じることも少なくありません。
ただ、機密情報の管理には気をつけましょうね。
スペシャリストかゼネラリストか、どちらの道を選ぶか決める!
Webマーケターとして職域を広げることは重要なのですが、自分がマーケターとして将来どうなっていきたいかは常に考えておきましょう。
例えば、将来CMOになりたいのであれば、マネジメント能力やマーケティングに関する広い理解が求められます。
何か一つに突出している訳では無いので、スペシャリストというよりはゼネラリストです。
一方で、現場で常にトレンドを追い続け、例えば、自分の領域を極めていきたいのであればスペシャリスト思考です。
多少は周辺領域の知識やスキルは必要ですが、マネジメントスキルを磨く必要はありません。
余裕があればWebデザインやプログラミングスキルも習得する!
Webマーケティングを進めるうえで効果の高いクリエイティブだったり、分析や計測をするうえでの理系的な考え方だったりはあった方が絶対に有利です。
ちょっとしたバナーの作成を都度Webデザイナーに頼むより自分で作成しPDCAを回した方が早い場合もあります。現に、今やデザインや制作を行う特定の部署以外でも、「クリエイティブ系ITツールを使いこなせる能力が必要だと思うか」というアンケートに就職人気企業ほど必要性を感じており、具体的に必要なシーンも増えてきています。
出典:アドビ株式会社のプレスリリースより
また、SEOでもJavaScriptの知識があるのと無いのとではできる事が全然違いますし、エンジニアとの会話にも差が出ます。
別に、Webデザイナーやエンジニアになる必要はありませんが、最低限、概念的な知識、欲を言えばクリエイティブの修正やコードの修正くらいはできるようにしておきましょう。
イベントやセミナーへの登壇、ブログやSNSでの情報発信を通し名前を売る!
自分でWebマーケターとして結果を出し、スキルアップをしてきたのであれば、広く認められたいものですよね。
もちろん、言えること言えないことはあると思いますが、ぜひ、イベントやセミナーなどで登壇し、携わったサービスの成功事例や自分の所属する会社や自分の名前を売っていくことを心がけましょう。
そうすることで、プレゼンテーションスキルも伸ばせます。
ただ、大々的に登壇するのはハードルが高いと思います。それでも社内勉強会を企画したり、セミナー前にLT(ライトニングトーク)としてプレゼンさせてもらったり程度であれば、結構スグにできちゃうものです。
それでも準備をする時間の無いほど激務の人もいるかもしれません。そんな人は空き時間にブログやSNSで情報発信をし、セルフブランディングをしていきましょう。
こういう草の根活動も、Webマーケターとして年収やキャリアを上げるのに地味に効いてきたりしますよ。
副業や複業をしてみて、他社でもWebマーケターとして通じるか試す!
代理店や受託会社は別として、事業会社のWebマーケターは自社のプロダクトには常に向き合いますが、他社のプロダクトやサービスに関わる機会は無いものです。
自分の年収やキャリアを上げていくためにも、他の企業のプロジェクトに参画してみて複業してみることや、他社の仕事を週1日でも受けて副業してみることで、自分の経験値を広げたり、新たなチャレンジができます。
週1日のWebマーケター副業なんてあるのかなという人は、Workshipがおすすめです。
Webマーケターとして、週1日から参画できる副業案件が多くありますよ!
他社でも通じるかぜひ試してみましょう。
WebマーケターとWebディレクターは職種が違う!
Webマーケターの仕事の中にはWebディレクターもありますといった記事をたまに見かけますが、WebマーケターとWebディレクターは別職種です。
Webマーケターは、SEOやSNSを使ってどのように見込み集客をしコンバージョンをさせるか、また、コンバージョンした見込み顧客なり顧客を、成約や購買、リピーターになってもらうのかといった事がお仕事です。
一方で、Webディレクターは、主にWebサイト制作やアプリ開発の要件を取りまとめ(要件定義)、制作スケジュールを立て(ガントチャート作成)、設計図を起こし(ワイヤーフレームやサイトマップの作成)、完成させるまでの現場監督のようなお仕事ですので、やってる事が全然違います。
スタートアップや小規模の会社では2つの業務を兼務していることもありますが、Webマーケティングも解るWebディレクター、ディレクションもできるWebマーケターのどちらかと考えておいた方が良いでしょう。
中堅や大企業になってくると、普通にWebマーケターとWebディレクターが別職種として存在しますし、Webマーケターだけで複数人、Webディレクターだけで複数人もいる企業も少なくありません。
マーケティング施策のディレクションをする人は、マーケティングディレクターやマーケティングマネージャーと呼ばれることもあります。
WebマーケターとWebアナリスト/Webコンサルタントとの関係性
Webマーケターに近しい仕事にWebアナリストやWebコンサルタントという職種があります。
WebアナリストはWebマーケターが行った施策に対して、広告予算に対する費用対効果が合っているか、どのようなキーワードでコンバージョンしているか、どのような属性のユーザーが成約に結びついているか、アクセス数は前年同月と比べて増えているか減っているか、その要因はどんなことか…等をアクセス解析ツールなども駆使しながら分析しレポートにまとめ改善策を講じるお仕事になります。
Webコンサルタントは主にWebマーケターやWebアナリストの業務を外部のクライアントに対し提案する事で収入を得ている人たちを指します。
Webマーケター、Webアナリスト、Webコンサルタントも明確な定義はないので、会社によって呼び方は違うけど同じ業務を行っていたりもします。
WebアナリストやWebコンサルタントは、Webディレクター以上に近しい業務を行なっているため、少人数の会社や組織の場合、兼務をしていることがとても多いです。
ただ、クライアントワークを行なっていない事業会社などはWebコンサルタントは原則存在しない場合がほとんどです。
Webマーケティング未経験者がWebマーケターになる方法
Webマーケティング未経験者がWebマーケターになる方法はいくつかあります。
社内の配置転換や部署異動
社内の配置転換や部署移動、ジョブローテーションなどで、マーケティング部門に配属されることも少なくありません。
また、マーケティング部は広報部と並び、比較的人気の高い部署ですので、社内異動の申請を出して、部署移動される方も結構います。
新卒でWebマーケティングに強い会社に入社する
未経験者がWebマーケティングの仕事をはじめる方法として、新卒で入社してWebマーケティングを学習しながら仕事をしていくのは極めて有効な方法です。一度、社会に出てから未経験転職をするよりも、新卒で入ってしまう方がはるかに楽ですし、企業としても他の会社のやり方に変に染まっていないので重宝されます。
ただ新卒の場合、絶対に希望の部署に配属されるとは限りませんので、可能であれば、大学生のうちに、Webマーケティングの経験が積める企業にインターンとして働かせてもらう事で、新卒入社後に配属される角度は高まりますし、同期よりも一歩リードできるのでおすすめです。
本やセミナーで学び、独学でWebマーケティングスキルを磨く
最近は、本屋さんに行けばWebマーケティングの本は山のようにありますし、Youtube動画やnoteなどで情報発信している人も多くいます。
そのような情報をキャッチアップし、独学で学び、自分で、SNSやブログを使って情報発信をしていく事でマーケティングスキルを磨くことも十分可能な世の中です。
情報発信をしているうちに、影響力がついてこれば、お仕事の依頼がくることも少なくありません。
数十万円程度なら中高生でも稼いでる子は結構いたりします。
Webマーケティングスクールに通う
最近では、業界的に人材が不足していることもあるのと、部署異動などをしたものの教育する時間が無かったりすることから、Webマーケティングを教えるスクールも登場しています。独学で進めようとして陳腐な情報を高値で買ってしまい騙されてしまう人も少なからずいるようです。独学だと信頼できる情報の目利きも重要になってきますので、初学者の場合、スクールに通い、仲間と切磋琢磨しながらWebマーケティングを学習するのも一つの方法です。
未経験者の転職支援があるスクールもありますので、そのようなスクールに通うのも良いですね。
現役Webマーケターである私、浅井裕喜がWebマーケティングスクールの選び方や各スクールの特徴を紹介した比較した記事も、ぜひチェックしてみてください!
知り合いでWebマーケターがいれば相談してみる
自分の知人や友人でWebマーケターがいれば一度相談してみましょう。
Webマーケターとして就転職したいがどうしたら良いのか、こういうスキルを磨きこうなりたいなど、ざっくばらんに相談してみると良いでしょう。
もしかしたら、求人採用の面接を設定してくれるかもしれません。
ただ、基本的には忙しい人が多い業界であるので、貴重なお時間を割いてくれている事に対して配慮はしましょう。
未経験OKのWebマーケティング求人にエントリーする
Webマーケティング人材は業界的に不足していますので、未経験OKのWebマーケティング求人も見かけることがあります。
未経験OK求人の中には教育体制がしっかりしている会社もあります。
そのような求人にエントリーし、面接の場で、やる気や学習している事をアピールして入社するのも一つの方法です。
いきなり正社員採用してくれる会社もあれば、まずは派遣社員で様子をみてから正社員登用している会社もあり、様々です。
おすすめなのは、広告業界に強い人材紹介会社やWeb業界に強い人材紹介/派遣会社に登録して、キャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントに相談してみる方法ですね。
広告業界に強い人材紹介会社ですとマスメディアン、Web業界に強い人材紹介/派遣ですとクリーク・アンド・リバー社の運営するWebistとかですかね。
最初は右も左も解らないと思いますので、おすすめです。
まとめ
今回は、Webマーケティングの概要や手法の一例、Webマーケターの仕事内容や年収やキャリア、未経験者がWebマーケターになる方法などについて紹介をさせていただきました。
今は多様な働き方が広がっていて、テレワークでも仕事が可能ということもあり、Webマーケターに益々注目が集まっています。
その反面、デジタルマーケター人口は少ないのでチャンスも多いです。
この機会に一度、Webマーケターというお仕事についても考えてみてくださいね。